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今夜の番組チェック

 

2001年6月27日
in横浜
2002年1月31日
in具志川



藤木勇人ひとりゆんたく芝居を観る

島清らさ、天然の癒し
2002年1月31日in具志川


1 はじめに

 昨年6月に藤木さんのひとり芝居をはじめて観た。それからまた見たいと思っていたが、11月の東京公演は仕事の都合で観にいくことができず、がっかり。
 そんなところに「1月に沖縄で公演がある」という情報が入った。しかも、古謝美佐子さんとの共演だという。これは絶対に見に行きたい。スケジュールも早くから調整し、航空券等の手配も済ませた。
 この公演は入場無料とのことだが、具志川市役所の介護保険課に問い合わせると、親切にも入場整理券を送っていただいた。
 沖縄も約一年ぶりだ。

2 具志川へ

 さて、舞台はいきなりコザの街に飛ぶ。(今回の旅行の詳しい内容は「沖縄旅日記Vol.4」に書いています。) よしだホテルを出て、園田からバスに乗り、具志川市の喜仲へ。沖縄についてのんびりしてしまったのか、少し遅れ気味のところに、道路が渋滞していてなかなか進まない。午後6時を少し過ぎたころに、ようやく到着。
 ところが、バス停から会場の具志川市民芸術劇場までがけっこう離れている。途中二度ほど道を尋ね、時々走ったりしながら6時15分頃に会場着。開場が6時なので、予定より15分遅れてしまった。

3 具志川市民芸術劇場

 会場の具志川市民芸術劇場はなかなかに立派で真新しい感じの建物だ。ロビーには早くも人が溢れ、郵便局の方たちが会場を整理している。(今回の公演は「かんぽ」の講演会で、具志川市の郵便局も共催という立場にある)
 「前の方の席は難しいか?」と半ば諦めながら会場に入る。人は結構多いが、中ほどから埋まっている。ツツツと前の方に進むと、席が空いている。前から2番目の席を確保する。昨年の横浜公演では、観客が列をなして並び、前の方からドッと埋まっていったのに対し、なんとも牧歌的な風景だ。やはり、かんぽの講演会ということで、普段の公演と客層が違うのだろうか?(かくいう私もまだ二度目の観劇だが…)それとも、沖縄の方は奥ゆかしいのだろうか?
 舞台には「かんぽ講演会 講師 古美佐子・藤木勇人」とある。今日は、一芸人、歌手でありながら形の上では「講師」であるのだ。
 やがて、開演時間になる。まず、具志川市からの御挨拶ということで、恰幅の良いおじさんが出てくる。後ろの方では「あれ? 市長じゃないね」という声も聞こえる。市長さんが留守で、助役の方だった。さらに具志川郵便局の局長さんの挨拶が続いた。

4 闘牛祝辞

 いよいよ藤木さんが登場する。前回の公演では初めてということもあって、やや気負って観ていたが、今回は少し自然体で見たいと思う。
 まずゆんたくから始まり、ひとり芝居に移行する。演目は「闘牛祝辞」。舞台上で着替えを行い(前回は驚いたが…)、カーキ色の上下の服に着替える。メークは顔を赤く塗る。酔っ払ったオジサンの闘牛スタイルで、結婚披露宴の祝辞を述べるという設定になっている。
 酔っ払った雰囲気が上手く出ている。牛を通じての人々のパーソナリティやコミュニケーションぶりがおもしろく演じられる。藤木さんは以前、フリーペーパーを発行し、闘牛についてのエッセイも書かれていたという。そんな闘牛好きの素養がこの演目につながっているようだが、闘牛を通しての沖縄の人のあり方が伝わってくるような気がした。
 余談だが、つい先日愛媛県の宇和島市に行った。宇和島も沖縄と同じく牛と牛が闘う形を取る。両者の起源にはどこかでつながりがあるのだろうか? それともまったく別々に発生し、発展して行ったのだろうか? (宇和島の闘牛の模様は、かなり前の小説だが、獅子文六の『てんやわんや』−毎日新聞社刊−の中でも生き生きと描かれている。興味のある方は御一読を)

 前回は初めて観たこともあり、所々細かい点やうちなー口がわからないところもあり、全体の流れから意味を把握していいったようなところがあったが、今回は事前に『うちな〜妄想見聞録』(藤木さんの脚本集)を読んでいたこともあり、全体を通して理解できた。

5 天然の癒し

 続いて、古謝さんの歌に入る。キーボード・アレンジは夫君の佐原一哉さんだ。佐原さんは、「本土ではいつも『沖縄では……』と話しているが、今日は沖縄の舞台で話しているので緊張します」と笑わせる。
 歌は沖縄民謡から入り、アイルランド民謡も歌われる。アイルランドといえば、ケルト民族特有の哀調を帯びた美しいメロディが印象的だが、古謝さんが歌うと、ごく自然に島唄に解け込み、沖縄の曲を聞いているような気がした。
 また、スペインの歌も聞くことができた。スペイン語特有の朗々とした感じのメロディは、古謝さんの声質や発声にとてもあっていると思った。スペイン本国だけでなく、メキシコやアルゼンチン、ペルーの現代音楽にも素晴らしいメロディがたくさんある。古謝さんの歌で一度聴いてみたいと思った。
(まったくの余談だが、ブラジルにクァルテート・エン・シーという素晴らしい女性四人のヴォーカル・グループがいる。ボサノヴァの時代に生まれ、サンバやMPBを取り入れて発展してきた。福岡のCDショップで、クァルテート・エン・シーが”ブラジルのネーネーズ”と紹介されていたのにはあまりのインパクトの強さに驚いた、ということがあった。確かにハーモニーの美しさでは共通しているが、両者を聞き比べてみると、音楽のベースになっているものや、方向もかなり異なっていると思う)
 そして、「家路」が歌われる。ドヴォルザークの新世界からの曲だ。古謝さんの幼い頃の思い出などが語られる。最後は「てぃんさぐの花」を会場全体で歌った。 

 古謝さんの歌はCDでは聴いていたが、生で聴くのは今日が初めてだった。圧倒的に豊かな歌声に包まれていると、普段のいろいろな悩みやストレスを忘れてしまう。ただただ歌の中に一体化するような気がした。これこそ「天然の癒し」なのだろう。

 

6 終りに

 公演後、なぜか図々しく打上に参加してしまった。藤木さんと言葉を交わす機会もあったが、初対面でもあり、舞い上がってしまって、満足に話すこともできなかったが、大げさでなく、一生の思い出になったと思う。
 古謝さんも、私のイメージの中では、”初代ネーネーズのリーダーにして有名な歌手”というイメージがあったが、とても気さくで、どさくさに紛れて写真もとっていただいた。”有名歌手”というのはこちらが勝手に作り上げたイメージであって一人の人間としてはごく普通の日常感覚をもっていらっしゃるのだろう。
 でも、やっぱり写真は嬉しかった。

 

2001年6月27日
in横浜
2002年1月31日
in具志川